ウォーキングで得られる健康効果


1 はじめに

まず、はじめにウォーキングは他の運動とは異なり、いつでも・どこでも始められる手軽さがあります。特別な道具も必要なくケガや身体への負担も少ないので、誰でも一生涯を通してできる素晴らしい運動です。

ランニングなどは運動負荷が大きいので、呼吸が早く浅くなるので交感神経を高めてしまいます。特に、中高年になると副交感神経の働きは低下してしまいますので、『運動して気持ち良い!』と思える程度の運動、つまりウォーキングが理想的なのです。


2 生活習慣病の予防

中国の山東大学公衆衛生学院の米国疾病対策センター(CDC)によると、ウォーキングなどの運動を週60分(1日10分以上)行った人の方が死亡リスクが減ったとの報告がありました。また、米国の運動ガイドラインでは、適度な運動(ウォーキングなど)週10分~1時間行うと、心血管疾患による死亡リスクは12%、ガンの死亡リスクは14%減ったとの報告があります。このことから、ウォーキングを習慣にすることは生活習慣病予防にも繋がります。※参考HP


3 心肺機能の向上

ウォーキングは有酸素運動です。有酸素運動を通して、心筋や横隔膜などの呼吸筋が鍛えられることで、心肺機能が高まります。心肺機能の向上により、1回でより多くの血液を体中に送り出すことができるので、心拍数が減少します。これにより、心臓の負担が減ります。また、血管の弾力性が強くなるのことで、血圧が下がることにも繋がります。


4 骨粗しょう症の予防

ウォーキングで骨にほどよい負荷がかかることで、カルシウムの利用効率がよくなるため、骨が強くなり、骨粗しょう症の予防に役立ちます。

骨は、物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すと言われています。実際に、スポーツ選手の骨密度は一般の人よりも高いです。また、物理的な負荷が大きいほど骨密度は高いと言われているので、過重負荷の少ない水泳選手よりも陸上選手のほうが骨密度が高いです。したがって、ウォーキングのような重力のかかる運動は骨の健康に効果的です。 ※参考HP


5 認知機能の向上

高齢者やアルツハイマー型認知症患者の原因の一つに、大脳皮質や海馬の血流低下があります。大脳皮質や海馬の血流低下は、アセチルコリン神経の不活性化とつながっています。実はウォーキングをすると、脳の『アセチルコリン神経』が活性化されるのです。このアセチルコリン神経は血圧があまり上がらない程度の「普通」の速さで歩くと増えると言われおり、これは年齢に関係ないことが明らかになっています。 ※参考HP


6 血糖値の改善

ウォーキングなどの運動することによって、血中の糖質(グルコース)が消費されるので血糖値の急上昇を抑えることができます。実際に、ニュー時ランドのオタゴ大学の研究によると、2型糖尿病の人が食後にウォーキングを行うことで行わない人に比べ血糖値が12%低下したと報告しています。

さらに、インスリンの効果が高まり血糖値が下がりやすくなる(インスリン抵抗性の改善)も明らかになっています。 ※参考HP1参考HP2


7 脂肪燃焼

ウォーキングは酸素を必要とする「有酸素運動」です。有酸素運動では、主に脂肪をエネルギー(血中の遊離脂肪酸)とするので、毎日の生活に「ウォーキング」を取り入れることによって、余分な体脂肪の減少が期待できます。ダイエット目的でウォーキングをする場合は、『早歩きで20~30分以上』がおすすめです。早い速度で一定時間を確保して歩くことで、活動量が上がるだけでなく筋力アップにより基礎代謝の向上も期待できます


8 筋力アップ

ウォーキングは、体幹・脚・腰回りの筋肉を多く使います。ここは人間の身体の中でも比較的大部分を占める筋肉であるため、ウォーキングをすることで筋肉量が増えます。また脚力が強くなるため、足腰の健康維持にはおすすめの運動です。しかし、狭い歩幅で歩いたり、足首や股関節といった関節をしっかり使われない状態で歩く「すり足歩き」では筋力アップの効果は見込めません。

正しい姿勢と歩きでウォーキングをすることが大切です。


9 メンタルの向上

外で直射日光を浴びながら、ウォーキングすることで気分を安定化させる「セロトニン」というホルモンの分泌が高まることが報告されています。セロトニンの減少はうつ病や不安障害、パニック障害との関連性が指摘されています。さらに、ウォーキングのようなリズム運動は自律神経の働きを整えることも証明されています。

ウォーキングはメンタルヘルス対策としても効果的な運動です。